完全に乾燥したものを切削加工を施して仕上げていく工程です。木地とは塗装前の素地そのものを指し、主な材質として桧や松、欅類が複合的に使用されます。
欄間部分などの彫刻作業を行う工程です。素地に絵を描き、何工程もかけて彫り上げていく、長年の経験を要する作業です。
桝組みなど屋根の細かな各部品を、非常に精密な設計のもと組み立てていく工程です。
ご本尊を祀り、お仏壇の中心となる、宮殿(くうでん)の組み立ては、最も重要な工程とも言えます。 また、宮殿の形や色によって宗派が異なります。柱の色が金の場合は「浄土真宗本願寺派(西)」、黒の場合は「真宗大谷派(東)」と分類されます。他にも小柱の本数や屋根の数で見分けがつけられます。
研磨を終えて整えられた木地に、下地(シーラー、サフェイサー)~中塗り~仕上げ塗りと、塗装を重ねる工程です。
下地や中塗りは、塗装と研磨を何度も繰り返し行います。最後に漆を塗って仕上げます。 本漆や天然漆もありますが、最近では漆に弱い方が多いため、「合成漆」と呼ばれるカシューを使用した、肌に優しい植物性の代替塗料を用いることが多くなりました。
お仏壇の扉や内部、各部品に金箔を押す工程です。
金を延ばして作った金箔は極めて薄いため、風が吹くときちんと金箔が押せません。そのため、夏場や冬場も冷暖房を止めたり、部屋のドアを閉め切ったりと、作業場の環境にも十分配慮します。また、当然の事ながら、箔押しの作業は熟練の技術が必要となります。
装飾金具や、組立の際必要な丁番金具を打ち付けていく工程です。
材質は「真鍮」・「金」・「銀」・「銅」など様々なものが使用されています。金具を作る工程も、機械でプレスして大量生産する方法や一つ一つ丁寧に直接手打ちで作りあげる方法などがあります。
漆塗りや箔押しの工程を経て、次にお仏壇の扉や引戸などの各部品に蒔絵を描く工程に移ります。
技術だけではなく、生まれ持った美的才能・繊細さ、長年の経験・修行の積み重ねの集大成が蒔絵師の仕事になり、大変貴重な工程と言えます。 また、蒔絵の種類は様々なものがありますが、主流として「高蒔絵」・「平蒔絵」と呼ばれる、2通りの方法を用います。
これらの様々な職人の工程を経て、最終組立を行います。 お仏壇の各部品を一つ一つ丁寧に組み立てていく工程です。
こうして、川辺工場の熟練スタッフによって造り上げられたお仏壇を、お客様のお手元へお届けするため、古屋鋪の各店頭へ心を込めて展示していきます。